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まずい文章を書かないコツ:修飾語と被修飾語をあまり離さない

(悪い例)
 先ごろ静岡県に東京タワーを建てた男の記念館がオープンした。

(修正例)
 東京タワーを建てた男の記念館が、先ごろ静岡県にオープンした。

 上は、かつて東京タワーの建設に携わった男の記念館が、

先ごろ静岡県にオープンした、という内容の例文です。ところが、悪い方の例文を頭から読んでいくと、あたかも静岡県に東京タワーが建ったような印象を受けてしまいます。しかもつい最近に。そのような誤解が生じてしまう理由は、「オープンした」という述語を修飾する「先ごろ」「静岡県に」という語句が、離れた場所に置かれているからです。この誤解を解消するには、修正例のように修飾する語句と修飾される語句を近接させるのが、最も効果的な対処法になります。それができなければ、せめて「静岡県に」と「東京タワー」との間に読点「、」を打って、両者の関係を希薄にさせておきましょう。
 また、修飾語が複数ある場合には、その順番にも気を配る必要があります。次の例文を見てください。

A 吊り橋を渡るコツは、前を向いて止まらずにゆっくり歩くことである。
B 吊り橋を渡るコツは、ゆっくり前を向いて止まらずに歩くことである。
C 吊り橋を渡るコツは、ゆっくり止まらずに前を向いて歩くことである。

 吊り橋というのは、下を見たり、一度止まってしまったりすると、恐怖で渡れなくなってしまうものです。ですから、視線を前方に据え、止まらずに、しかしながらゆっくり静かに歩くことが大切です。そういった意味でAは、比較的誤解されにくい文になっています。ところがBは、前を向くという動作をゆっくり行う、つまり「ゆっくり」という語句が「歩く」ではなく、「前を向く」を修飾しているように読めてしまう。同様にCも、ゆっくり止まらない、つまり速く止まるべきだと主張しているような印象を受けます。では、どうやって順番を決めるべきかというと、「長い修飾語を前に置く」「句よりも節を前に置く」というのが、ひとつの目安となります。

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